経済・物価情勢の展望(2023年1月(基本的見解))基本的見解
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12023年1月18日日本銀行 経済・物価情勢の展望(2023年1月)【基本的見解】 1<概要>
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1 本基本的見解は、1月17、18日開催の政策委員会・金融政策決定会合で決定されたものである。 日本経済の先行きを展望すると、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、回復していくとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。 物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、目先、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から高めの伸びとなったあと、そうした影響の減衰に加え、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果の反動もあって、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。 前回の見通しと比べると、成長率については、2022年度と2023年度は、政府の経済対策が押し上げ方向に寄与するものの、海外経済の下振れなどから、幾分下振れ、2024年度は、経済対策の効果の反動により幾分下振れている。
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物価については、2022年度と2023年度は、経済対策がエネルギー価格を押し下げる一方、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響などもあって、概ね不変、2024年度は、経済対策による押し下げの反動から幾分上振れている。 リスク要因をみると、引き続き、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。 リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2022年度と2023年度は下振れリスクの方が大きいが、2024年度は概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、上振れリスクの方が大きい。
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21.わが国の経済・物価の現状わが国の景気は、資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直している。海外経済は、回復ペースが鈍化している。輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響が和らぐもとで、基調として増加している。企業収益は全体として高水準で推移しており、業況感は横ばいとなっている。こうしたもとで、設備投資は緩やかに増加している。雇用・所得環境は、全体として緩やかに改善している。個人消費は、感染症の影響を受けつつも、緩やかに増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、3%台後半となっている。また、予想物価上昇率は上昇している。2.わが国の経済・物価の中心的な見通し(1)経済の中心的な見通しわが国経済の先行きを展望すると、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。
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家計部門をみると、雇用面では、正規雇用の増加が続くほか、対面型サービス部門の回復に伴って、非正規雇用の増加も明確化していくとみられる。加えて、労働需給の引き締まりや物価上昇を反映して賃金上昇率も高まることから、雇用者所得は緩やかな増加を続けると予想される。こうしたもとで、個人消費は、物価上昇に伴う実質所得面からの下押し圧力を受けつつも、感染抑制と消費活動の両立が一段と進むもとで、行動制限下で積み上がってきた貯蓄にも支えられたペントアップ需要の顕在化を主因に、増加を続けるとみられる。政府によるガソリン・電気・都市ガス代の負担緩和策や全国旅行支援も、個人消費を下支えすると考えられる。企業部門をみると、海外経済が世界的なインフレ圧力や各国中央銀行の利上げの影響などから減速するものの、輸出や生産は、
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3供給制約の影響が和らぐもとで、自動車や資本財における高水準の受注残に支えられて、増加基調を続けるとみられる。また、サービス輸出であるインバウンド需要も、入国制限の緩和等を受けて、増加していくと予想される。企業収益は、原材料コスト高が下押し圧力として作用するものの、ペントアップ需要の顕在化などに伴う経済活動の改善が続くもとで、業種・規模間のばらつきを伴いつつ、全体として高水準を維持すると予想される。そうしたもとで、設備投資は、緩和的な金融環境による下支えに加え、供給制約の緩和もあって、人手不足対応やデジタル関連の投資、成長分野・脱炭素化関連の研究開発投資、サプライチェーンの強靱化に向けた投資を含めて、増加を続けると考えられる。この間、公共投資は、国土強靱化関連の支出が続くもとで、横ばい圏内で推移すると想定している。政府消費については、感染症関連の支出動向を映じて、次第に減少していくと想定している。見通し期間の中盤以降は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。ただし、ペントアップ需要の顕在化による押し上げ圧力が和らいでいくほか、経済対策の効果の反動もあって、成長ペースは鈍化していく可能性が高い。
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家計部門をみると、雇用者所得は、経済活動の改善に伴う雇用者数の緩やかな増加に加え、労働需給の引き締まりや物価上昇を反映した賃金上昇率の高まりを背景に、増加を続けると予想される。こうした雇用者所得の増加に支えられて、個人消費は、ペントアップ需要の顕在化ペースを鈍化させつつも、着実な増加を続けると予想される。企業部門をみると、海外経済が持ち直していくもとで、輸出や生産は緩やかに増加すると考えられる。インバウンド需要も増加を続けると予想される。企業収益は、内外需要が増加し、原材料コスト高による下押し圧力も徐々に和らぐことから、改善基調をたどるとみられる。そうしたもとで、設備投資は、緩和的な金融環境にも支えられて、増加を続けると考えられる。以上の見通しの背景にある金融環境についてみると、日本銀行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を推進するもとで、金融環境は緩和的な状態が
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4続き、民間需要の増加を後押ししていくと想定している 2。すなわち、銀行借入やCP・社債発行といった外部資金の調達環境は、先行きも緩和的な状態が維持され、そのもとで、企業の資金繰りも、景気回復の進展に伴い改善傾向が続くとみられる。この間、潜在成長率は、デジタル化や人的資本投資の進展による生産性の上昇や、設備投資の増加による資本ストックの伸びの高まりなどを背景に、緩やかに上昇していくとみられる3。政府による各種の施策や緩和的な金融環境は、こうした動きを後押しすると考えられる。(2)物価の中心的な見通し物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、目先、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から高めの伸びとなったあと、そうした影響の減衰に加え、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果の反動もあって、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。
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政府によるガソリン・電気・都市ガス代の負担緩和策は、2023年度の前半を中心に、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比を押し下げる方向に作用する一方、2024年度については、その反動から、前年比を押し上げる方向に作用するとみられる。この点、ガソリン・電気・都市ガス代などのエネルギー価格の変動の直接的な影響を受けない消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比は、2022年度に2%程度となったあと、2023年度は1%台後半、2024年度は1%台半ばとなっている。物価上昇率を規定する主たる要因について点検すると、労働や設備の稼働状況を表すマクロ的な需給ギャップは、ごく小幅のマイナスとなっている。先行
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2 各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、見通しを作成している。3 わが国の潜在成長率を、一定の手法で推計すると、足もとでは「0%台前半」と計算される。ただし、潜在成長率は、推計手法や今後蓄積されていくデータに左右されるうえ、今次局面では、感染症の影響によって生産性や労働供給のトレンドがどのように変化するか不確実性がとくに高いため、相当の幅をもってみる必要がある。
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5きの需給ギャップは、わが国経済が潜在成長率を上回る成長経路をたどるもとで、2022年度後半頃にはプラスに転じ、その後もプラス幅の緩やかな拡大が続くと予想される。こうしたもとで、女性や高齢者による労働参加の増加ペースの鈍化もあって、労働需給の引き締まりは進み、賃金の上昇圧力は次第に強まっていくと考えられる。このことは、コスト面では人件費の上昇圧力をもたらすとともに、家計の購買力の増加に寄与するとみられる。次に、中長期的な予想物価上昇率をみると、短期と比べるとペースは緩やかながら上昇している。短観の販売価格判断DIは上昇している。短観における企業の物価全般の見通しも、短期だけでなく中長期も含め、高水準となっている。適合的予想形成の強いわが国では、現実の物価上昇率の高まりは、家計や企業の中長期的な予想物価上昇率の上昇をもたらし、企業の価格・賃金設定行動や労使間の賃金交渉の変化を通じて、賃金の上昇を伴う形で、物価の持続的な上昇につながっていくと考えられる。3.経済・物価のリスク要因(1)経済のリスク要因上記の中心的な経済の見通しを巡っては、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、不確実性がきわめて高い。とくに、以下のような上振れないし下振れの可能性(リスク要因)に注意が必要である。
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第1に、海外の経済・物価情勢と国際金融資本市場の動向である。米国などの物価上昇率はひと頃に比べれば低下しているものの、依然として世界的にインフレ圧力が続いている。そのもとで、各国中央銀行は利上げを継続しており、当面、こうした傾向が続くとみられる。この点、中心的な見通しでは、各国のインフレ率は徐々に低下し、海外経済は減速しつつも緩やかな成長を続けると想定している。もっとも、先進国を中心に、賃金と物価のスパイラルに対する警戒感は高い状態が続いている。また、国際金融資本市場では、インフレの抑制と経済成長の維持が両立できるかが懸念されている。利上げがなお続くもと、資産価格の調整や為替市場の変動、新興国からの資本流出を通じて、グローバルな金融環境が一段とタイト化し、ひいては海外経済が下振れるリスクがある。
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6こうしたリスクを念頭に置いて、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。第2に、ウクライナ情勢の展開やそのもとでの資源・穀物価格の動向である。ウクライナ情勢の帰趨次第では、ユーロ圏を中心に海外経済が一段と下押しされる可能性がある。また、資源・穀物価格は、昨年半ば頃をピークに総じて下落しているが、ウクライナ情勢の展開等によっては、再び上昇するリスクがある。エネルギーや小麦など資源・穀物の輸入国であるわが国にとって、供給要因による資源・穀物価格の上昇は、海外需要の拡大や輸出の増加を伴わないため、輸入コストの増加を通じた経済への下押しの影響が大きくなる。こうした交易条件の悪化は、企業収益や家計の実質所得を圧迫するため、企業や家計の支出行動の慎重化を通じて、設備投資や個人消費が下振れるリスクがある。一方、資源・穀物価格が下落基調を強めれば、経済が上振れる可能性もある。この点、資源価格は、中心的な見通しでは、先物市場の動向などを参考に、見通し期間終盤にかけて総じて緩やかに低下していくと想定しているが、ウクライナ情勢を始めとする地政学的な要因や世界的な気候変動問題への対応などを巡って、先行きの不確実性はきわめて高い。第3に、内外における新型コロナウイルス感染症が個人消費や企業の輸出・生産活動に及ぼす影響である。
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わが国では、昨年秋以降、感染が再拡大しているものの、これまでのところ、サービス消費を中心としたペントアップ需要に支えられる形で、個人消費は緩やかに増加しており、感染抑制と消費活動の両立は着実に進展している。もっとも、今後の感染症の動向次第では、ペントアップ需要による押し上げ圧力が想定よりも弱まるリスクがある。一方で、感染症への警戒感が大きく後退すれば、行動制限下で積み上がってきた貯蓄の取り崩しが想定以上に進み、個人消費が上振れる可能性もある。また、一部でなお供給制約が残るもとで、内外で感染症が再拡大した場合、サプライチェーン障害などを通じて、供給制約が再び強まる可能性もある。こうした場合、わが国の輸出・生産が下振れるとともに、財消費や設備投資にも悪影響が波及するリスクがある。第4に、やや長い目でみたリスク要因として、企業や家計の中長期的な成長期待がある。ポストコロナやデジタル化、脱炭素化に向けた動きは、わが国の経済構造や人々の働き方を変化させるとみられる。また、地政学的リスクの高
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7まりを背景に、これまで世界経済の成長を支えてきたグローバル化の潮流に変化が生じる可能性もある。そうした変化への企業や家計の対応次第では、中長期的な成長期待や潜在成長率、マクロ的な需給ギャップなどに上下双方向に影響が及ぶ可能性がある。(2)物価のリスク要因以上の経済のリスク要因が顕在化した場合には、物価にも影響が及ぶと考えられる。このほか、物価固有のリスク要因としては、以下の2つに注意が必要である。第1に、企業の価格・賃金設定行動を巡っては、上下双方向に不確実性が高い。足もと、原材料コスト高を背景に、これまで価格改定に慎重な姿勢をとっていた企業においても、競合他社の動向も眺めつつ、値上げを進める事例が広くみられている。今後の原材料コストの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想定以上に加速し、物価が上振れる可能性がある。また、労使間の賃金交渉を通じて、賃金に物価動向を反映させる動きが広がっていくことで、賃金と物価が想定以上に上昇する可能性がある。一方で、物価や賃金が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が根強く残るもとで、賃上げの動きが想定ほどは強まらず、物価も下振れる可能性がある。第2に、今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向、およびその輸入物価や国内価格への波及は、上振れ・下振れ双方の要因となる。
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ウクライナ情勢の展開等を巡る不確実性の高さを反映して、国際商品市況の変動が大きくなっているほか、世界的なインフレ率の高止まりや為替市場における急激な変動がみられる。これらがわが国物価に及ぼす影響については十分注意してみていく必要がある。4.金融政策運営以上の経済・物価情勢について、「物価安定の目標」のもとで、 2つの「柱」による点検を行い、先行きの金融政策運営の考え方を整理する4。
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4 「物価安定の目標」のもとでの2つの「柱」による点検については、日本銀行「金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について」(2013年1月22日)参照。
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8まず、第1の柱、すなわち中心的な見通しについて点検すると、消費者物価の前年比は、現在、 2%を上回って推移しているが、来年度半ばにかけて、 2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくと予想される。消費者物価の基調的な上昇率は、時間はかかるものの、マクロ的な需給ギャップの改善や、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率の高まりなどを背景に、「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。次に、第2の柱、すなわち金融政策運営の観点から重視すべきリスクについて点検する。リスク要因をみると、引き続き、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。リスクバランスは、経済の見通しについては、2022年度と 2023年度は下振れリスクの方が大きいが、2024年度は概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、上振れリスクの方が大きい。金融面について、引き続き資産市場や金融機関の与信活動には過熱感はみられていない。わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。
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先行き、グローバルな金融環境のタイト化の影響などには注意が必要であるが、内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有している。より長期的な視点から金融面の不均衡について点検すると、低金利や人口減少、企業部門の貯蓄超過などによる金融機関収益への下押しが長期化した場合、金融仲介が停滞方向に向かうリスクがある。一方、こうした環境のもとでは、利回り追求行動などに起因して、金融システム面の脆弱性が高まる可能性もある。現時点では、これらのリスクは大きくないと判断しているが、先行きの動向を注視していく必要がある。金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融
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9緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。以上 10(参考)2022~2024年度の政策委員の大勢見通し ――対前年度比、%。なお、<>内は政策委員見通しの中央値。実質GDP消費者物価指数(除く生鮮食品) (参考)消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー) 2022年度+1.9 ~+2.0<+1.9>+3.0 ~+3.0<+3.0>+2.1 ~+2.1<+2.1> 10月時点の見通し+1.8 ~+2.1<+2.0>+2.8 ~+2.9<+2.9>+1.8 ~+1.9<+1.8> 2023年度+1.5 ~+1.9<+1.7>+1.6 ~+1.8<+1.6>+1.7 ~+1.9<+1.8> 10月時点の見通し+1.5 ~+2.0<+1.9>+1.5 ~+1.8<+1.6>+1.5 ~+1.8<+1.6> 2024年度+0.9 ~+1.3<+1.1>+1.8 ~+1.9<+1.8>+1.5 ~+1.8<+1.6> 10月時点の見通し+1.3 ~+1.6<+1.5>+1.5 ~+1.9<+1.6>+1.5 ~+1.8<+1.6>
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(注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。(注2)各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、上記の見通しを作成している。 11-5.0-4.0-3.0-2.0-1.00.01.02.03.0-5.0-4.0-3.0-2.0-1.00.01.02.03.02016201720182019202020212022202320242025(前年比、%)(前年比、%)年度-1.00.01.02.03.04.0-1.00.01.02.03.04.02016201720182019202020212022202320242025(前年比、%)(前年比、%)年度 政策委員の経済・物価見通しとリスク評価 (1)実質GDP (2)消費者物価指数(除く生鮮食品)
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(注1)実線は実績値、点線は政策委員見通しの中央値を示す。(注2)、△、▼は、各政策委員が最も蓋然性が高いと考える見通しの数値を示すとともに、その形状で各政策委員が考えるリスクバランスを示している。は「リスクは概ね上下にバランスしている」、△は「上振れリスクが大きい」、▼は「下振れリスクが大きい」と各政策委員が考えていることを示している。