経済・物価情勢の展望(2023年10月(基本的見解))基本的見解
Full text
§1
12023年10月31日日本銀行 経済・物価情勢の展望(2023年10月)【基本的見解】 1<概要>
§2
1 本基本的見解は、10月30、31日開催の政策委員会・金融政策決定会合で決定されたものである。 日本経済の先行きを展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。 物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が残るもとで、このところの原油価格上昇の影響等もあって、2%を上回る水準で推移するとみられる。2025年度については、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。 前回の見通しと比べると、成長率については、2023年度が上振れている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2023年度は、政府の経済対策がエネルギー価格を押し下げる一方、価格転嫁が想定を上回って進んでいることなどから、幾分上振れている。
§3
2024年度は、このところの原油価格上昇の影響や経済対策による押し下げの反動等から、大幅な上振れとなっている。 リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。 リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2023年度と2024年度は概ね上下にバランスしているが、2025年度は下振れリスクの方が大きい。物価の見通しについては、2023年度は上振れリスクの方が大きい。もっとも、物価については、長期にわたる低成長やデフレの経験などから賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が社会に定着してきたことを踏まえると、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要である。
§4
21.わが国の経済・物価の現状わが国の景気は、緩やかに回復している。海外経済は、回復ペースが鈍化している。そうした影響を受けつつも、輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっている。企業収益は全体として高水準で推移しており、業況感は緩やかに改善している。こうしたもとで、設備投資は緩やかに増加している。雇用・所得環境は緩やかに改善している。個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、緩やかなペースで着実に増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は緩やかに増加している。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、ひと頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足もとは 2%台後半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。2.わが国の経済・物価の中心的な見通し(1)経済の中心的な見通し先行きのわが国経済を展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果などにも支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。
§5
その後は、ペントアップ需要や経済対策の効果は和らいでいくものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。こうした見通しを前回の展望レポートにおける見通しと比較すると、2023年度は、輸入の減少等を受けた実績の上振れを反映する形で、上振れている。家計部門をみると、雇用は増加を続けるが、これまで女性や高齢者の労働参加が相応に進んできたなかで、追加的な労働供給が見込みにくくなってくるため、その増加ペースは徐々に緩やかになっていくと考えられる。もっとも、このことは、景気回復の過程で、労働需給の引き締まりを強める方向に作用する。そのもとで、賃金上昇率は、物価上昇も反映する形で基調的に高まっていくとみられ、雇用者所得は増加を続けると予想される。こうしたもとで、個人消費
§6
3は、当面は、物価上昇の影響を受けつつも、行動制限下で積み上がってきた貯蓄にも支えられたペントアップ需要の顕在化に加え、賃金上昇率の高まりなどを背景としたマインドの改善などに支えられて、緩やかな増加を続けるとみられる。政府によるガソリン・電気・ガス代の負担緩和策なども、個人消費を下支えすると考えられる。その後は、ペントアップ需要の顕在化ペースの鈍化や政府の各種施策による下支え効果の減衰の影響を受けつつも、雇用者所得の増加に支えられて、緩やかな増加を続けると考えられる。企業部門をみると、輸出や生産は、当面、海外経済の回復ペース鈍化の影響を受けて横ばい圏内で推移したあと、海外経済が国・地域ごとにばらつきを伴いつつ緩やかに成長していくもとで、増加基調に復していくと考えられる。この間、サービス輸出であるインバウンド需要は、増加を続けると予想される。企業収益は、当面、既往の原材料コスト高の価格転嫁の進展等が上押しとなるほか、その後も、内外需要が緩やかに増加していくもとで、改善基調をたどるとみられる。そうしたもとで、設備投資は、緩和的な金融環境が下支えとなるなか、人手不足対応やデジタル関連の投資、成長分野・脱炭素化関連の研究開発投資、サプライチェーンの強靱化に向けた投資を含め、増加を続けると考えられる。
§7
見通し期間終盤にかけては、資本ストックの蓄積に伴う循環的な調整圧力を受けるものの、人手不足対応の投資に加え、脱炭素化関連など、景気循環とは独立した投資が着実に増加していくとみられる。この間、公共投資は、国土強靱化関連の支出が続くもとで、横ばい圏内で推移すると想定している。政府消費については、感染症関連の支出動向を映じて、いったん減少したあと、医療・介護費の趨勢的な増加を反映し、次第に増加していくと想定している。以上の見通しの背景にある金融環境についてみると、日本銀行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を推進するもとで、金融環境は緩和的な状態が続き、民間需要の増加を後押ししていくと想定している 2。すなわち、銀行借入やCP・社債発行といった外部資金の調達環境は、先行きも緩和的な状態が維持され、そのもとで、企業の資金繰りも、景気回復の進展に伴い改善傾向を
§8
2 各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、見通しを作成している。
§9
4たどるとみられる。潜在成長率は、デジタル化や人的資本投資の進展による生産性の上昇、設備投資の増加による資本ストックの伸びの高まりなどを背景に、緩やかに上昇していくとみられる3。政府による各種の施策や緩和的な金融環境は、こうした動きを後押しすると考えられる。(2)物価の中心的な見通し消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が残るもとで、このところの原油価格上昇の影響等もあって、2%を上回る水準で推移するとみられる。2025年度については、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。こうした見通しを前回の展望レポートにおける見通しと比較すると、2023年度は、政府によるガソリン・電気・ガス代の負担緩和策の延長が前年比を押し下げる一方、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁が想定を上回って進んでいることなどから、幾分上振れている。2024年度は、このところの原油価格上昇の影響に加え、政府による負担緩和策の延長が 2023年度の前年比を押し下げる反動が現れることなどから、大幅に上振れている。
§10
消費者物価(除く生鮮食品)の見通しは、原油価格や政府による経済対策に関する前提にも依存する。原油価格については、先物市場の動向などを参考に、見通し期間終盤にかけて緩やかに低下していく前提としている。政府によるガソリン・電気・ガス代の負担緩和策は、今年度の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比を押し下げる方向に作用する一方、2024年度については、その反動から、前年比を押し上げる方向に作用するとみられる。この点、エネルギー価格の変動の直接的な影響を受けない消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)
§11
3 わが国の潜在成長率を、一定の手法で推計すると、足もとでは「0%台半ば」と計算される。ただし、潜在成長率は、推計手法や今後蓄積されていくデータに左右されるうえ、今次局面では、感染症の影響によって生産性や労働供給のトレンドがどのように変化するか不確実性がとくに高いため、相当の幅をもってみる必要がある。
§12
5の前年比は、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が徐々に減衰することから伸び率が低下したあと、見通し期間の終盤にかけては、 2%程度で推移するとみられる。物価の基調を規定する主たる要因について点検すると、労働や設備の稼働状況を表すマクロ的な需給ギャップは、ゼロ近傍となっている。先行きの需給ギャップは、上記の経済の見通しのもとで、見通し期間終盤にかけて、徐々にペースを鈍化させつつもプラス幅を緩やかに拡大していくと予想される。こうしたもとで、女性や高齢者による労働参加の増加ペースの鈍化もあって、労働需給の引き締まりは進み、賃金の上昇圧力は強まっていくと考えられる。このことは、コスト面では人件費の上昇圧力をもたらすとともに、家計の購買力の増加に寄与するとみられる。次に、中長期的な予想物価上昇率をみると、緩やかに上昇している。短観の販売価格判断DIは高水準となっている。短観における企業の物価全般の見通しも、短期だけでなく中長期も含め、高水準となっている。また、今年の春季労使交渉は、ベースアップを含め、昨年を大きく上回る賃金上昇率となった。適合的予想形成の強いわが国において、これまでの物価上昇率の高まりは、家計や企業の中長期的な予想物価上昇率の上昇をもたらしてきており、企業の賃金・価格設定行動の一部に従来よりも積極的な動きがみられ始めている。
§13
先行きについては、現実の物価上昇率がプラス幅を縮小していくなかでも、需給ギャップがプラスに転じ、企業の賃金・価格設定行動や労使間の賃金交渉が変化していくもと、見通し期間終盤にかけて予想物価上昇率が緩やかに上昇していくことで、賃金の上昇を伴う形で、物価の持続的な上昇につながっていくと考えられる。これらの点検を踏まえると、見通しを巡る不確実性がきわめて高い点には留意する必要はあるが、消費者物価の基調的な上昇率は、「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。3.経済・物価のリスク要因(1)経済のリスク要因上記の中心的な経済の見通しに対する上振れないし下振れの可能性(リスク
§14
6要因)としては、主に以下の点に注意が必要である。第1に、海外の経済・物価情勢と国際金融資本市場の動向である。米欧の物価上昇率はひと頃に比べれば低下しているものの、依然として世界的にインフレ圧力が続いている。そのもとで、各国中央銀行は引き締め的な金融政策運営を継続している。この点、中心的な見通しでは、各国のインフレ率は徐々に低下し、海外経済は、国・地域ごとにばらつきを伴いつつ緩やかに成長を続けると想定している。もっとも、先進国を中心に、賃金上昇を介してインフレ率が高止まりするリスクがあるほか、これまでの利上げが急速であっただけに、その影響がラグを伴いつつ、実体経済面・金融面にどのように及ぶかについても不確実性は大きい。これらのリスクを念頭に置いて、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。この間、ウクライナ情勢の帰趨次第では、ユーロ圏を中心に海外経済への下押し圧力が高まる可能性があるほか、中国経済についても、労働市場や不動産市場における調整圧力が残るなか、先行きの持ち直しペースを巡る不確実性が高い。第2に、資源・穀物価格を中心とした輸入物価の動向である。資源・穀物価格は、昨年半ば頃をピークに総じて下落してきたが、足もとでは原油等のエネルギー価格は上昇している。
§15
先行きは、ウクライナや中東等を巡る地政学的な要因により、資源・穀物価格が大幅に変動するリスクには注意が必要である。中長期的には、気候変動問題への各国の対応等を巡る不確実性もきわめて高い。エネルギーや小麦など資源・穀物の輸入国であるわが国にとって、供給要因による資源・穀物価格の上昇は、海外需要の拡大や輸出の増加を伴わないため、輸入コストの増加を通じた経済への下押しの影響が大きくなる。仮に交易条件が再び悪化する場合には、企業収益や家計の実質所得を圧迫し、企業や家計の支出行動の慎重化を通じて、設備投資や個人消費が下振れるリスクがある。また、輸入物価上昇の消費者物価への転嫁が進むもとで、賃金の上昇が限られるようなことがあれば、家計の生活防衛的な動きが一段と強まり、経済を下押しすることも考えられる。一方、資源・穀物価格が下落すれば、経済が上振れる可能性もある。第3に、やや長い目でみたリスク要因として、企業や家計の中長期的な成長期待がある。感染症の経験や人手不足の強まりを背景としたデジタル化の動き、脱炭素化に向けた取り組みや労働市場改革の進展などは、わが国の経済構造や
§16
7人々の働き方を変化させるとみられる。さらに、地政学的リスクの高まりを背景に、これまで世界経済の成長を支えてきたグローバル化の潮流に変化が生じる可能性もある。そうした変化への企業や家計の対応次第では、中長期的な成長期待や潜在成長率、マクロ的な需給ギャップなどに上下双方向に影響が及ぶ可能性がある。(2)物価のリスク要因以上の経済のリスク要因が顕在化した場合には、物価にも影響が及ぶと考えられる。このほか、物価固有のリスク要因としては、以下の2つに注意が必要である。第1に、企業の賃金・価格設定行動を巡っては、上下双方向に不確実性が高い。今次物価上昇局面では、景気が回復基調をたどるなか、原材料コスト高を背景に、多くの企業が、競合他社の動向も眺めつつ値上げを進めてきた。既往の輸入物価上昇の価格転嫁は既に相応に進捗しているとみられるが、今後の原材料コストの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想定以上に続き、物価が上振れる可能性がある。また、労働需給が引き締まるもと、人材確保などを意識し、企業の賃金設定行動がより前傾化する可能性がある。そのもとで、想定以上に、賃金に物価動向を反映させる動きとともに、物価に賃金動向を反映させる動きも広がることで、マクロ的な需給ギャップの変動以上に、賃金と物価が上振れる可能性がある。
§17
一方で、物価上昇率がプラス幅を縮小していくなか、適合的予想形成のメカニズムを通じて、中長期的な予想物価上昇率が低下し、企業の価格設定行動に影響が及ぶ可能性がある。また、今年の春季労使交渉では昨年を大きく上回る賃金上昇率となったものの、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が根強く残り続ける場合、来年以降は賃上げの動きが想定ほど強まらず、物価も下振れる可能性がある。第2に、今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向、およびその輸入物価や国内価格への波及は、上振れ・下振れ双方の要因となる。世界経済の先行き等を巡る不確実性は高く、これが国際商品市況を大きく変動させる可能性がある。世界的なインフレ率の高止まりや為替相場の変動といった点も含め、それらがわが国物価に及ぼす影響については十分注意してみていく必要がある。
§18
84.金融政策運営以上の経済・物価情勢について、「物価安定の目標」のもとで、 2つの「柱」による点検を行い、先行きの金融政策運営の考え方を整理する4。まず、第1の柱、すなわち中心的な見通しについて点検すると、消費者物価の前年比は、来年度にかけて2%を上回る水準で推移したあと、2025年度にはプラス幅が縮小すると予想している。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。次に、第2の柱、すなわち金融政策運営の観点から重視すべきリスクについて点検する。わが国経済・物価を巡る不確実性は上下双方向できわめて高く、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響にも、十分注視する必要がある。リスクバランスは、経済の見通しについては、2023年度と 2024年度は概ね上下にバランスしているが、2025年度は下振れリスクの方が大きい。物価の見通しについては、2023年度は上振れリスクの方が大きい。もっとも、物価については、長期にわたる低成長やデフレの経験などから賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が社会に定着してきたことを踏まえると、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要である。
§19
金融面のリスクについてみると、引き続き資産市場や金融機関の与信活動には過熱感はみられていない。わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。先行き、グローバルな金融環境のタイト化の影響などには注意が必要であるが、内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、わが国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有している。より長期的な視点から金融面の不均衡について点検すると、低金利や人口減少、企業部門の貯蓄超過などによる金融機関収益への下押しが長期化した場合、金融仲介が停滞方向に向かうリスクがある。一方、こうした環境のもとでは、利回り追求行動などに起因して、金融シ
§20
4 「物価安定の目標」のもとでの2つの「柱」による点検については、日本銀行「金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について」(2013年1月22日)参照。 9ステム面の脆弱性が高まる可能性もある。現時点では、これらのリスクは大きくないと判断しているが、先行きの動向を注視していく必要がある5。金融政策運営については、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。以上 5 詳しくは日本銀行「金融システムレポート」(2023年10月)を参照。 10(参考)2023~2025年度の政策委員の大勢見通し ――対前年度比、%。なお、<>内は政策委員見通しの中央値。実質GDP消費者物価指数(除く生鮮食品)
§21
(参考)消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー) 2023年度+1.8 ~+2.0<+2.0>+2.7 ~+3.0<+2.8>+3.5 ~+3.9<+3.8> 7月時点の見通し+1.2 ~+1.5<+1.3>+2.4 ~+2.7<+2.5>+3.1 ~+3.3<+3.2> 2024年度+0.9 ~+1.4<+1.0>+2.7 ~+3.1<+2.8>+1.6 ~+2.1<+1.9> 7月時点の見通し+1.0 ~+1.3<+1.2>+1.8 ~+2.2<+1.9>+1.5 ~+2.0<+1.7> 2025年度+0.8 ~+1.2<+1.0>+1.6 ~+2.0<+1.7>+1.8 ~+2.2<+1.9> 7月時点の見通し+1.0 ~+1.2<+1.0>+1.6 ~+2.0<+1.6>+1.8 ~+2.2<+1.8> (注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。(注2)各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、上記の見通しを作成している。 11 政策委員の経済・物価見通しとリスク評価 (1)実質GDP (2)消費者物価指数(除く生鮮食品)
§22
(注1)実線は実績値、点線は政策委員見通しの中央値を示す。(注2)、△、▼は、各政策委員が最も蓋然性が高いと考える見通しの数値を示すとともに、その形状で各政策委員が考えるリスクバランスを示している。は「リスクは概ね上下にバランスしている」、△は「上振れリスクが大きい」、▼は「下振れリスクが大きい」と各政策委員が考えていることを示している。-5.0-4.0-3.0-2.0-1.00.01.02.03.0-5.0-4.0-3.0-2.0-1.00.01.02.03.02017201820192020202120222023202420252026(前年比、%)(前年比、%)年度-1.00.01.02.03.04.0-1.00.01.02.03.04.02017201820192020202120222023202420252026(前年比、%)(前年比、%)年度