Minutes of the Monetary Policy Meeting (January 30–31, 2017)
金融政策決定会合議事要旨(1月30、31日開催分)
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oii2017.3.22日本銀行政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2017年1月30、31日開催分)本議事要旨は、日本銀行法第 20 条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2017年3月15、16日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。公表時間3月22日(水) 8時50分 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
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(開催要領)1.開催日時:2017年1月30日(14:00~16:09)1月31日( 9:00~11:49)2.場所:日本銀行本店3.出席委員:議長黒田東彦(総裁)岩田規久男(副総裁)中曽宏(〃)佐藤健裕(審議委員)木内登英(〃)原田泰(〃)布野幸利(〃)櫻井眞(〃)政井貴子(〃)4.政府からの出席者:財務省太田充大臣官房総括審議官(30日)木原稔財務副大臣(31日)内閣府羽深成樹内閣府審議官(30日)越智隆雄内閣府副大臣(31日)(執行部からの報告者)理事雨宮正佳理事桑原茂裕企画局長内田眞一企画局審議役千田英継(30日 14:52~16:09)企画局政策企画課長正木一博金融市場局長清水誠一調査統計局長関根敏隆調査統計局経済調査課長中村康治国際局長長井滋人(事務局)政策委員会室長柳原良太政策委員会室企画役中本浩信企画局企画調整課長鈴木公一郎(30日 14:52~16:09)企画局企画役武藤一郎企画局企画役田村健太郎企画局企画役永幡崇
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Ⅰ.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要1.最近の金融市場調節の運営実績金融市場調節は、前回会合(2016年12月19、20日)で決定された短期政策金利(-0.1%)および長期金利操作目標(注)に従って、長期国債の買入れ等による資金供給を行った。そのもとで、10年物国債金利はゼロ%程度で推移し、日本国債のイールドカーブは金融市場調節方針と整合的な形状となっている。2.金融・為替市場動向短期金融市場では、金利は、翌日物、ターム物とも、総じてマイナス圏で推移している。無担保コールレート(オーバーナイト物)は- 0.06~- 0.03%程度で推移している。ターム物金利をみると、短国レート(3か月物)は、直近では-0.3%程度で推移している。株価(日経平均株価)は、年明け以降、為替が円高・ドル安方向の動きとなったことを受けて幾分下落したが、その後反発し、期間を通じてみると、横ばい圏内での推移となっている。為替相場をみると、円の対ドル相場は、年明け以降、米国金利低下等を受けて、円高ドル安方向の動きとなった。この間、円の対ユーロ相場は、概ね横ばいとなっている。3.海外金融経済情勢海外経済は、新興国の一部に弱さが残るものの、緩やかな成長が続いている。米国経済は、雇用・所得環境の着実な改善を背景として、家計支出を中心に、しっかりとした回復を続けている。
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輸出は外需の持ち直しなどから基調として下げ止まっている。設備投資は弱めの動きが続いているものの、持ち直しの動きがみられる。物価面をみると、コアベースのインフレ率(PCEデフレーター)は前年比+1%台後半、総合ベースは同+1%台半ばで推移している。欧州経済は、家計部門を中心に緩やかな回復を続けている。輸出は、弱めではあるが持ち直しに向けた動きがみられる。個人消費は、労働市場や消費者コンフィデンスの改善などに支えられて、引き続き増加しているほか、設備投資も持ち直しの動きが続いている。物価面をみ
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(注)「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。」
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ると、インフレ率(HICP)は、総合ベース・コアベースともに前年比ゼロ%台後半で推移している。この間、英国経済は、家計支出に支えられてしっかりと回復している。新興国経済をみると、中国経済は、公共投資の増加や自動車減税等の政策効果にも支えられて、総じて安定した成長を続けている。NIEs・ASEANでは、弱めの状態ながらも、輸出が持ち直しているほか、景気刺激策の効果から内需が底堅く推移している。ロシア経済は、厳しい情勢が続いているが、資源価格の底打ちなどから下げ止まっている。ブラジルやトルコでは、景気が弱含んでいる。インドは、高額紙幣の廃止による経済の混乱から足もとの景況感は悪化している。新興国の物価面をみると、インフレ率は、多くの国・地域において低水準で横ばい圏内の動きとなっている。ブラジルやロシアのインフレ率は、引き続き高い水準にあるが、既往の通貨安一服から低下する方向にある。海外の金融市場をみると、米国では、新政権による拡張的な財政政策や規制緩和などへの期待感を背景とした長期金利と株価の上昇は一服しており、ドルは幾分減価した。一方、新興国市場では、一頃と比べれば資金流出懸念が和らいでおり、多くの国で通貨、株価とも上昇した。ただし、メキシコやトルコなどでは、通貨が引き続き減価するなど、選別色が強まっている。
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4.国内金融経済情勢(1)実体経済わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けている。輸出は、新興国経済の減速の影響が和らぐもとで、先進国向けの自動車関連やアジア新興国向けの情報関連を中心に、持ち直している。先行きの輸出は、新興国経済の減速の影響が和らぐ中で、当面、基調として持ち直しを続ける可能性が高い。その後も、海外経済の成長率が緩やかに高まるもとで、緩やかに増加していくとみられる。公共投資は、横ばい圏内の動きとなっている。先行きについては、大型経済対策に対応する 2016年度第2次補正予算が執行されるのに伴い、2017年度央にかけて、緩やかに増加するとみられる。設備投資は、企業収益が高水準で推移する中で、緩やかな増加基調にある。先行指標である機械受注や建築着工・工事費予定額(民間非居住用)は、振れを伴いつつも、緩やかな増加基調を続けている。先行きの設備投資は、当面は、既往の新興国経済の減速や為替円高がや
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やラグを伴って製造業を中心に下押しに作用すると見込まれるが、全体としては、企業収益の改善などを背景として、緩やかな増加基調を続けるとみられる。雇用・所得環境をみると、労働需給は着実な改善を続けており、雇用者所得も緩やかに増加している。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している。各種の販売・供給統計を合成した消費活動指数をみると、このところ持ち直している。先行きの個人消費は、雇用者所得の着実な改善に加え、株価上昇による資産効果や経済対策の効果にも支えられて、緩やかに増加していくとみられる。住宅投資は、緩和的な金融環境に支えられて、資産運用・節税ニーズの強い貸家系を中心に、持ち直しを続けている。鉱工業生産は、内外需要の緩やかな増加に加え、在庫調整の進捗を反映して、持ち直している。先行きについては、新興国経済の減速の影響が和らぎ、経済対策の効果も顕在化するもとで、内外の最終需要の増加を反映して、緩やかに増加していくとみられる。物価面について、国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況や為替相場の動きを反映して、上昇している。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。除く生鮮食品・エネルギーの前年比をみると、前月からプラス幅が若干縮小し、 12月は+ 0.1%となっている。
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先行きについて、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギー価格の動きを反映して、0%程度から小幅のプラスに転じていくとみられる。(2)金融環境わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。予想物価上昇率は、弱含みの局面が続いている。長期金利から中長期の予想物価上昇率を差し引いた実質長期金利は、マイナスで推移している。企業の資金調達コストは、きわめて低い水準で推移している。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、大幅に緩和した状態にある。CP・社債市場では、良好な発行環境が続いている。資金需要面をみると、企業買収関連や設備投資向けなどの資金需要が緩やかに増加している。以上のような環境のもとで、企業の資金調達動向をみると、銀行貸出残高の前年比は、2%台半ばのプラスとなっている。CP・社債の発行残高の前年比は、プラスで推移している。企業
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の資金繰りは、良好である。この間、マネタリーベースは、前年比で2割台前半の高い伸びを続けている。マネーストックの前年比は、4%程度の伸びとなっている。Ⅱ.貸出支援基金等の今後の取扱い1.執行部からの説明貸出増加や成長基盤の強化に向け、金融機関と企業・家計の前向きな行動を引き続き促していくとともに、復興に向けた被災地金融機関の取り組みへの支援を継続する観点から、「貸出増加を支援するための資金供給」、「成長基盤強化を支援するための資金供給」、東日本大震災および熊本地震にかかる「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」等の措置について、受付期間を1年間延長することとしたい。ついては、「貸出支援基金運営基本要領」の一部改正等を行うこととしたい。2.委員会の検討・採決採決の結果、上記案件について全員一致で決定された。本件については、その骨子を対外公表文に記載することとされた。また、その詳細については、会合終了後、執行部より適宜の方法で公表することとされた。Ⅲ.金融政策手段に関する「基本要領」の記載事項の見直し1.執行部からの説明金融政策手段は、基本的な事項を「基本要領」として金融政策決定会合で決定したうえで、実務運用面などの要領の実施にあたって必要な事項を執行部で決める扱いとしている。
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もっとも、現行の「基本要領」は、記載内容がやや詳細にわたる事項があり、法令改正のほか、取引慣行やシステム対応といった実務面の変更によっても改正が必要となる例がみられる。金融政策に関する審議の一層の充実に資する観点から、政策的な含意をもたない改正を極力回避できるように、「基本要領」の記載事項の見直しを行うこととしたい。2.委員会の検討・採決採決の結果、上記案件について全員一致で決定された。本件については、会合終了後、執行部より適宜の方法で公表することとされた。
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Ⅳ.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要1.経済情勢国際金融市場について、委員は、米国新政権による積極的な経済政策運営への期待が引き続き相場を牽引しているが、年明け後は、具体策が未だ明らかでないことが不透明感として意識され、やや振れのある展開となっているとの認識を共有した。そのうえで、委員は、当面の間、国際金融市場は、米国新政権の経済政策を巡る思惑などに影響される可能性が高いため、その動向には十分な注意が必要であるとの認識を共有した。海外経済について、委員は、先進国では、家計支出を中心とした回復が続くもとで、製造業の業況感が明るさを増すなど企業部門への波及が一段と明確になっているとの認識で一致した。また、新興国経済についても、委員は、減速感が和らいでいるとの見方で一致した。そのうえで、委員は、海外経済は、新興国の一部に弱さが残るものの、緩やかな成長が続いているとの認識を共有した。海外経済の先行きについて、委員は、先進国の着実な成長が続き、新興国経済の回復も、その好影響の波及や各国の政策効果によって、次第にしっかりとしたものになっていくことから、緩やかに成長率を高めていくとの見方で一致した。ある委員は、こうした見方は、最新のIMFの世界経済見通しとも整合的であると付け加えた。
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地域毎にみると、米国経済について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善を背景として、家計支出を中心に、しっかりとした回復を続けているとの認識で一致した。ある委員は、米国の中小企業の景況感指数が大きく改善していることを指摘した。米国経済の先行きについて、委員は、国内民間需要を中心にしっかりとした成長が続くとの見方を共有した。欧州経済について、委員は、家計部門を中心に緩やかな回復を続けているとの認識を共有した。欧州経済の先行きについて、委員は、英国のEU離脱問題をはじめとする政治情勢や金融セクターを含む債務問題を巡る不透明感が経済活動の重石となるものの、基調としては緩やかな回復経路を辿るとの見方で一致した。中国経済について、委員は、公共投資の増加や自動車減税等の政策効果にも支えられて、総じて安定した成長を続けているとの見方で一致した。ある委員は、中国経済は、製造業の過剰生産調整等が進んだため、固定資産投資の増加率は上昇に転じており、経済対策に支えら
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れて、6%台半ばの成長を維持できるだろうとの見方を示した。先行きについて、委員は、当局が景気下支えに積極的に取り組むもとで、概ね安定した成長経路を辿るとの見方を共有した。一人の委員は、景気刺激策として実施されていた自動車関連の減税措置の縮小の影響には注意が必要であると述べた。新興国経済について、委員は、一部の国はなお減速した状態にあるが、資源価格の底入れや各国の景気刺激策の効果などから、全体として持ち直しつつあるとの認識を共有した。一人の委員は、NIEs・ASEANにおける輸出・生産が、IT関連財や素材関連など幅広い財で持ち直していると指摘した。先行きの新興国経済について、委員は、先進国の着実な成長の波及や景気刺激策の効果などから、成長率は徐々に高まっていくとの見方で一致した。海外経済を巡るリスクについて、委員は、米国新政権の政策運営やその新興国経済等への影響、欧州主要国の国政選挙の帰趨など、不確実性が高い状況にあるとの認識を共有した。何人かの委員は、米国の財政拡張により、米国の金利が上昇していく場合、ドル建て債務の多い新興国からの資本流出などには注意が必要であると指摘した。また、何人かの委員は、欧州主要国における国政選挙や英国のEU離脱交渉、欧州系銀行の不良債権問題の展開には引き続き注意が必要であると述べた。
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この間、一人の委員は、目先認識しておくべきは下振れ要因であるが、市場や経済主体がリスクをある程度織り込んでいることを踏まえると、リスクが低下したと受け止められるような場合には、景気上振れにつながる可能性もあるとの認識を示した。わが国の金融環境について、委員は、きわめて緩和した状態にあるとの認識で一致した。委員は、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとで、企業の資金調達コストはきわめて低い水準で推移しているとの見方を共有した。以上のような海外の金融経済情勢とわが国の金融環境を踏まえて、わが国の経済情勢に関する議論が行われた。わが国の景気について、委員は、緩やかな回復基調を続けているとの見方で一致した。すなわち、委員は、海外経済が緩やかに成長するもとで輸出・生産が持ち直しを続けているほか、個人消費も底堅く推移するなど、回復の足取りが一段としっかりしてきているとの認識を共有した。ある委員は、海外経済の好転、政府の経済対策、金融緩和政策の強化がプラスの相乗効果をもたらしており、昨年後半以降、わが国の景気は回復の足取りを強めているとの見方を示した。また、別
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の一人の委員は、海外経済の緩やかな成長のもとでの輸出の持ち直し、労働需給の改善と実質雇用者所得の増加を背景とした個人消費の改善、業況感の改善を踏まえた設備投資の増加など、このところ、実体経済面での明るい材料が増えているとの認識を示した。輸出について、委員は、新興国経済の減速の影響が和らぐもとで、持ち直しているとの認識で一致した。何人かの委員は、情報関連や自動車関連を中心に、裾野の拡がりを伴いつつ、輸出はしっかりと持ち直しているとの認識を示した。先行きの輸出について、委員は、新興国の減速の影響が和らぐ中で、当面、基調として持ち直しを続け、その後も、海外経済の成長率が緩やかに高まるもとで、緩やかに増加していくとの見方を共有した。設備投資について、委員は、企業収益が高水準で推移する中で、緩やかな増加基調にあるとの認識で一致した。先行きの設備投資について、委員は、当面は、既往の新興国経済の減速や為替円高がややラグを伴って製造業を中心に下押しに作用すると見込まれるが、全体としては、企業収益の改善などを背景として、緩やかな増加基調を続けるとの見方を共有した。雇用・所得環境について、委員は、労働需給が着実な改善を続けており、雇用者所得も緩やかに増加しているとの認識を共有した。
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先行きの雇用者所得について、委員は、労働需給の引き締まりが続き、企業収益が総じて高水準で推移するもとで、緩やかな増加を続けるとの見方を共有した。個人消費について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移しているとの認識を共有した。一人の委員は、個人消費は、以前から堅調であった外食などのサービス支出に加えて、最近では自動車、家電などの耐久消費財の販売、スーパー、コンビニエンスストアの売上も改善傾向が明確になってきていると指摘した。先行きの個人消費について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善に加え、株価上昇に伴う資産効果などにも支えられて、緩やかに増加していくとの見方を共有した。ある委員は、過去に購入したデジタル家電などの耐久消費財が買い替えサイクルに入ってくること、株価の安定、消費マインドの好転などから、消費性向はいずれ下げ止まるとの見方を示した。この間、一人の委員は、来年度における年金受取額の減少の影響などには注意が必要であると述べた。住宅投資について、委員は、緩和的な金融環境にも支えられて、持ち直しを続けているとの認識を共有した。
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鉱工業生産について、委員は、内外需要の緩やかな増加に加え、在庫調整の進捗を反映して、持ち直しているとの認識を共有した。先行きの鉱工業生産について、委員は、新興国経済の減速の影響が和らぎ、経済対策の効果も顕在化するもとで、内外の最終需要の増加を反映して、緩やかに増加していくとの見方で一致した。ある委員は、鉱工業指数統計の予測指数や日本銀行が行っている企業からの聞き取り調査の結果などを踏まえると、生産の回復は持続しそうであると述べた。物価面について、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は0%程度となっており、当面は、エネルギー価格の動きを反映して、0%程度から小幅のプラスに転じていくとの見方で一致した。ある委員は、除く生鮮食品・エネルギーでみた消費者物価は、前年比小幅のプラスで一進一退の動きとなっており、これまでの個人消費のもたつきや為替円高の影響がラグを伴って現れていると付け加えた。この間、予想物価上昇率について、委員は、現実の物価上昇率が小幅のマイナスで推移してきたことから、「適合的な期待形成」の要素が強く作用し、弱含みの局面が続いているとの認識を共有した。ある委員は、予想物価上昇率の各種指標は総じて下げ止まりの動きとなっており、インフレスワップレートやエコノミストの予想物価上昇率などで、ひと頃と比べて上昇しているものもみられると付け加えた。
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2.経済・物価情勢の展望経済情勢の先行きの中心的な見通しについて、委員は、緩やかな拡大に転じていくとの見方を共有した。委員は、きわめて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、国内需要が増加基調を辿るとの認識を共有した。また、委員は、輸出も、海外経済が緩やかに成長率を高めていくため、基調として緩やかに増加するとの見方を共有した。そうしたもとで、委員は、見通し期間を通じて、潜在成長率を上回る成長を続けるとの見方で一致した。2016年10月の展望レポートでの見通しと比べると、委員は、成長率については、海外経済の上振れや為替相場の円安方向への動きなどを背景に、幾分上振れるとの見方で一致した。設備投資について、委員は、緩和的な金融環境や成長期待の高まり、オリンピック関連需要の本格化などを受けて緩やかな増加基調を維持するとの見方を共有した。また、個人消費についても、委員は、雇用者所得の改善が続くもとで、緩やかな増加を続けるとの見方で一致した。これらに加え、委員は、公共投資について、政府の経済対策の
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効果などから 2017年度にかけて増加し、その後は、オリンピック関連需要もあって高めの水準で推移するとの認識を共有した。物価情勢の先行きについて、大方の委員は、消費者物価の前年比は、①需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれて、2%に向けて上昇率を高めていく、②2%程度に達する時期は、見通し期間の終盤である 2018年度頃になる可能性が高い、との見方を共有した。これらの委員は、2016年10月の展望レポートでの見通しと比べると、物価上昇率の見通しは概ね不変との見方で一致した。この間、複数の委員は、見通し期間中には2%程度に達しないとの見解を示した。委員は、物価見通しの背景となる中長期的な予想物価上昇率と需給ギャップについて議論した。まず、中長期的な予想物価上昇率について、委員は、現実の物価上昇率が小幅のマイナスで推移する中で、「適合的な期待形成」の要素が強く作用し、2015年夏場以降の弱含みの局面が続いているとの見方を共有した。先行きについて、大方の委員は、個人消費が緩やかな増加を続けることを背景に、企業の価格設定スタンスが再び積極化していくほか、労働需給のタイト化が賃金設定スタンスを強める方向に影響するとの見方を共有した。
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また、これらの委員は、①「適合的な期待形成」の面では、エネルギー価格が物価に対して押し上げ寄与に転じていくことや、このところの為替相場の円安方向への動きの影響もあって、現実の物価上昇率は高まっていくと予想されること、②「フォワードルッキングな期待形成」の面では、日本銀行が「物価安定の目標」の実現に強くコミットし金融緩和を推進していくことから、中長期的な予想物価上昇率は上昇傾向を辿り、2%程度に向けて次第に収斂していくとの認識を共有した。ある委員は、実際の物価上昇率が高まることで、オーバーシュート型コミットメントの効果と相俟って、予想物価上昇率が上昇していくとの見方を示した。この委員は、2016年10月の展望レポート以降の新たな展開、すなわち①海外経済の上振れなどに伴う需給ギャップ見通しの上振れ、②個人消費の持ち直し、③最近の為替の円安方向への動きやコモディティ価格の上昇といった点は、いずれもこうしたシナリオの実現をサポートするものであると付け加えた。一方、複数の委員は、予想物価上昇率の上昇ペースについて、より慎重な見方を示した。このうちの一人の委員は、予想物価上昇率が適合的に決まる部分が大きいとの「総括的な検証」の結果を踏まえると、見通し期間中に期待がジャンプすることは想定しにくいと述べた。次に、需給ギャップについて、委員は、労働需給の引き締まりが続
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く中、ゼロ%程度で横ばい圏内の動きを続けてきたが、足もとでは改善の動きがみられるとの見方で一致した。先行きについて、委員は、輸出・生産の持ち直しに伴う設備稼働率の改善に加え、経済対策の効果の顕在化もあって、労働需給の引き締まりが続くことから、需給ギャップは、2016年度末にかけてプラスに転じ、その後はプラス幅を拡大していくとの認識を共有した。委員は、経済・物価情勢の先行きの中心的な見通しに対する上振れ・下振れ要因についても議論を行った。まず、実体経済面の上振れ・下振れ要因として、委員は、①海外経済の動向、②企業や家計の中長期的な成長期待、③財政の中長期的な持続可能性、の3点を挙げた。物価に固有の上振れ・下振れ要因として、委員は、①企業や家計の中長期的な予想物価上昇率の動向、②需給ギャップに対する価格の感応度が低い品目の存在、③今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向、の3点を挙げた。そのうえで、委員は、海外経済の動向や中長期的な予想物価上昇率の動向を中心に、わが国の経済・物価については下振れリスクの方が大きいとの認識を共有した。Ⅴ.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要以上のような金融経済情勢についての認識を踏まえ、委員は、当面の金融政策運営に関する議論を行った。
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金融政策運営にあたって、委員は、「経済・物価・金融情勢を踏まえて、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持しているか」が重要な判断基準であるとの見方で一致した。そのうえで、大方の委員は、物価動向について、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムは維持されているが、なお力強さに欠け、引き続き注意深く点検していく必要があるとの見方で一致した。これらの委員は、2%の「物価安定の目標」の実現までにはなお距離があることを踏まえると、現行の金融市場調節方針を堅持し、強力な金融緩和を粘り強く推進することで、2%に向けたモメンタムをしっかりと維持していくことが重要であるとの認識を共有した。このうち何人かの委員は、米国長期金利の上昇などを受けて、日本銀行が長期金利の操作目標を引き上げるのではないかとの憶測も聞かれるが、日本銀行の金融政策は、あくまでも2%の「物価安定の目標」の実現という観点から決定されるべきであるとの認識を示した。
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長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、委員は、前回会合以降、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブが円滑に形成されているとの見方を共有した。ある委員は、現行の枠組みは所期の効果を発揮しており、オペレーションの柔軟な調整等、その運用についても市場は冷静に受け止めているとの認識を示した。また、別の一人の委員は、グローバルな市場の不透明感が高いもとで、金利のボラティリティが高まる可能性を踏まえると、執行部に一定の裁量を持たせ、肌理細かな調節運営を引き続き行うことが重要であると述べた。そのうえで、委員は、イールドカーブ・コントロールのもとでは、国債買入れの金額やタイミング、回数などは、金融市場調節方針を実現するために実務的に決定されるものであり、日々のオペ運営によって先行きの政策スタンスを示すことはないことを、改めてはっきりと説明していくことが重要であるとの認識を共有した。以上の議論を踏まえ、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、多くの委員は、以下の方針とすることが適当であるとの見解を示した。「短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用する。長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
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買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約 80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。」長期国債以外の資産の買入れについて、多くの委員は、次回金融政策決定会合まで、①ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行うこと、②CP等、社債等について、それぞれ約 2.2兆円、約 3.2 兆円の残高を維持すること、が適当であるとの認識を共有した。先行きの金融政策運営の考え方について、多くの委員は、①2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する、②消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する、③今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行うとの方針を共有した。
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これに対し、複数の委員が異なる見解を述べた。このうち一人の委員は、資産買入れ額を金融政策の操作目標とし、その段階的引き下げを確実に図ることで、資産買入れの持続性と市場の安定性を高め、既往の緩和効果を確保していくべきであると主張した。この委員は、日本銀行は、短期金利だけでなく、長期金利についても、2%の物価安定目標を安定的に実現するために操作を行っているため、わが国の物価が低位で推移するもとで、米国長期金利が大幅に上昇すると、長期金利目標を実現するための金利操作は一層困難度合いが高まるとしたうえで、そういった観点からも、イールドカーブ・コントロールの枠組みを見直すメリットは大きいと述べた。また、別の一人の委員は、現在の金融市場調節方針は適当でないとの自身の立場を述べたうえで、望ましい経済・物価情勢の実現に最適なイールドカーブの形状はもう少しスティープであってもよいほか、市場金利がわが国の経済・物価の改善を先取りして上昇する場合には、金融市場調節方針においてもそうした動きを追認していくことが適当であると述べた。また、この委員は、国債買入れの運用について、理論的には、国債買入れの進捗とともにストック効果から金利低下圧力がかかるので、市場の反応を慎重に探りつつ減額を模索していけばよいとの認識を示した。
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なお、この委員は、短国買入れについては、市場動向を慎重に見極めつつ、一段の減額を模索すべきであると述べた。Ⅵ.政府からの出席者の発言財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。 先般、平成 29年度予算および平成 28年度第3次補正予算を国会に提出した。平成 29年度予算については、「一億総活躍社会」の実現、「未来への投資」の拡大に向けた成長戦略の推進、子育て・介護の環境整備等の取組みなど、現下の重要な課題に的確に対応しつつ、一般歳出の伸びを約 5,300 億円に抑制し、「経済・財政再生計画」の目安を2年連続で達成するなど、経済再生と財政健全化の両立を実現するものとなっている。本予算の早期成立こそが最大の経済対策と考えており、本国会での一日も早い成立に向けて取り組んでいく。 日本銀行が、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に沿って、引き続き、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、「物価安定の目標」の実現に向けて努力されることを期待する。
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また、内閣府の出席者からは、以下の趣旨の発言があった。 わが国の景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。海外経済が全体として緩やかに改善する中で、輸出や生産、企業の業況判断が改善し、雇用・所得環境の改善が続く中で、消費に持ち直しの動きがみられることを踏まえ、昨年12月、21 か月振りに景気判断を引き上げた。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。物価動向の判断には、GDPデフレーター等各種物価指標を総合的にみることが重要である。 働き方改革については、同一労働同一賃金や時間外労働の上限の法改正に向けて作業を進めていく。また、経団連が今年の春季労使交渉に向けた基本スタンスを取りまとめた「経営労働政策特別委員会報告」について、経済財政諮問会議において経団連会長から、総理の要請を受けたものになっている旨の報告があった。このほか、中長期の経済財政に関する試算を公表した。アベノミクスを拡大・強化することにより、プライマリーバランスの黒字化とともに債務残高の対GDP比を着実に引き下げていく。統計改革については、政府一体となって進めていく。 日本銀行には、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の「物価安定の目標」の実現に向けて着実に取り組むことを期待する。
§29
また、金融政策運営の状況や物価の見通し等を引き続き十分説明頂きたい。Ⅶ.採決1.金融市場調節方針(議長案)以上の議論を踏まえ、議長から、委員の多数意見を取りまとめるかたちで、以下の議案が提出され、採決に付された。採決の結果、賛成多数で決定された。
§30
金融市場調節方針に関する議案(議長案)次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとすること。記1.日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用する。2.10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約 80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。採決の結果賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員反対:佐藤委員、木内委員── 佐藤委員は、短期政策金利を- 0.1%、 10年金利の目標をゼロ%程度とすることは期間 10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼすとして反対した。木内委員は、国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利は+0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペースの一段の拡大を強いられるリスクがあるとして反対した。
§31
2.資産買入れ方針(議長案)議長から、委員の多数意見を取りまとめるかたちで、次回金融政策決定会合まで、①ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う、②CP等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する、との資産買入れ方針とすることを内容とする議案が提出され、採決に付された。採決の結果、賛成多数で決定された。
§32
採決の結果賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員反対:佐藤委員、木内委員── 佐藤委員は、約6兆円のETF買入れは、市場の価格形成や日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などを踏まえると過大であるとして反対した。3.資産買入れ方針(木内委員案)木内委員から、資産買入れ額を操作目標とする枠組みとしたうえで、次回金融政策決定会合までの資産買入れ方針に関して、「①長期国債について、保有残高が年間約 45 兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。買入れの平均残存期間は7年程度とする。②ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約 300 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。③CP等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する。」、との議案が提出され、採決に付された。採決の結果、反対多数で否決された。採決の結果賛成:木内委員反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、佐藤委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員4.対外公表文(「当面の金融政策運営について」)以上の採決結果を踏まえ、議長からは、対外公表文(「当面の金融政策運営について」<別紙>)が提案され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公表することとされた。
§33
Ⅷ.「経済・物価情勢の展望」の検討続いて、「経済・物価情勢の展望」の「基本的見解」の文案が検討され、多数意見が形成された。これに対し、佐藤委員からは、①物価見通しについて、「2%程度に達する時期は、見通し期間の終盤(2018年度頃)になる可能性が高い」を「2%程度を見通せる時期は、見通し期間の終盤(2018年
§34
度頃)になる可能性が高い」に変更すること、②先行きの金融政策運営について、「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。」を削除すること、を内容とする議案が提出され、採決に付された。採決の結果、反対多数で否決された。採決の結果賛成:佐藤委員反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、木内委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員木内委員からは、①物価見通しについて、「エネルギー価格の動きを反映して0%程度から小幅のプラスに転じ、その後はかなり緩やかに上昇率を高めていくと考えられる」とすること、②中長期的な予想物価上昇率の見通しについて、「先行き安定的に推移するものとみられる」とすること、③先行きの金融政策運営について、「中長期的に2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、金融面からの後押しを粘り強く続けていく。今後とも、2つの「柱」、すなわち、最も蓋然性が高いと判断される見通しと中長期的観点から重視すべきリスクの点検を踏まえた柔軟な政策運営のもとで、資産買入れ策と実質的なゼロ短期金利政策をそれぞれ適切と考えられる時点まで継続する」とすること、を内容とする議案が提出され、採決に付された。採決の結果、反対多数で否決された。
§35
採決の結果賛成:木内委員反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、佐藤委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員議長からは、会合における多数意見を取りまとめるかたちで、「基本的見解」の議案が提出された。採決の結果、賛成多数で決定され、会合終了後、直ちに公表することとされた。また、背景説明を含む全文は、2月1日に公表することとされた。
§36
採決の結果賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員反対:佐藤委員、木内委員Ⅸ.議事要旨の承認議事要旨( 2016年12月19、20日開催分)が全員一致で承認され、2月3日に公表することとされた。以上
§37
2017年1月31日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成7反対2)(注1)次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約 80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。(2)資産買入れ方針(賛成7反対2)(注2)長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。① ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。② CP等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する。2.また、日本銀行は、「貸出増加を支援するための資金供給」、「成長基盤強化を支援するための資金供給」、東日本大震災および熊本地震にかかる「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」等の措置について、受付期間を1年間延長することを決定した(全員一致)。以上別紙
§38
(注1)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員。反対:佐藤委員、木内委員。佐藤委員は、短期政策金利を▲0.1%、10年金利の目標をゼロ%程度とすることは期間 10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼすとして反対した。木内委員は、国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利は+0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペースの一段の拡大を強いられるリスクがあるとして反対した。(注2)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員。反対:佐藤委員、木内委員。佐藤委員は、約6兆円のETF買入れは、市場の価格形成や日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などを踏まえると過大であるとして反対した。なお、木内委員より、資産買入れ額を操作目標とする枠組みとしたうえで、長期国債保有残高が年間約 45 兆円、ETFが約1兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行うなどの議案が提出され、反対多数で否決された。