当面の金融政策運営について
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§1
2016年12月20日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成7反対2)(注1)次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲ 0.1%のマイナス金利を適用する。長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約 80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。(2)資産買入れ方針(賛成7反対2)(注2)長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。① ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。② CP等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する。2.わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けている。海外経済は、新興国の一部に弱さが残るものの、緩やかな成長が続いている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。国内需要の面では、企業収益が高水準で推移し、業況感も幾分改善するなかで、設備投資は緩やかな増加基調にある。
§2
また、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直しを続けている。この間、公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。以上の内外需要の緩やかな増加に加え、在庫調整の進捗を反映して、鉱工業生産は持ち直している。わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)
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の前年比は、小幅のマイナスとなっている。予想物価上昇率は、弱含みの局面が続いている。3.先行きのわが国経済は、緩やかな拡大に転じていくとみられる。国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。輸出も、海外経済の改善を背景として、基調として緩やかに増加するとみられる。消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面小幅のマイナスないし0%程度で推移するとみられるが、マクロ的な需給バランスが改善し、中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれて、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる(注3)。4.リスク要因としては、中国をはじめとする新興国・資源国の動向、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営が国際金融市場に及ぼす影響、英国のEU離脱問題の帰趨やその影響、金融セクターを含む欧州債務問題の展開、地政学的リスクなどが挙げられる。5.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。
§4
今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注4)。以上
§5
(注1)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員。反対:佐藤委員、木内委員。佐藤委員は、短期政策金利を▲0.1%、10年金利の目標をゼロ%程度とすることは期間 10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼすとして反対した。木内委員は、国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利は+0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペースの一段の拡大を強いられるリスクがあるとして反対した。(注2)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員。反対:佐藤委員、木内委員。佐藤委員は、約6兆円のETF買入れは、市場の価格形成や日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などを踏まえると過大であるとして反対した。なお、木内委員より、資産買入れ額を操作目標とする枠組みとしたうえで、長期国債保有残高が年間約 45 兆円、ETFが約1兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行うなどの議案が提出され、反対多数で否決された。(注3)木内委員より、消費者物価の前年比は、当面小幅のマイナスないし0%程度で推移するとみられるが、その後はかなり緩やかに上昇率を高めていくとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、佐藤委員、原田
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委員、布野委員、櫻井委員、政井委員)。(注4)佐藤委員は、マネタリーベースの拡大方針について、現実的な目標設定でなく効果も期待できないなどとして反対した。なお、木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、資産買入れ策と実質的なゼロ短期金利政策をそれぞれ適切と考えられる時点まで継続するなどの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、佐藤委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員)。 (参考) ・開催時間――12月19日(月) 14:00~15:3112月20日(火) 9:00~11:44 ・出席委員――議長黒田東彦(総裁)岩田規久男(副総裁)中曽宏(〃)佐藤健裕(審議委員)木内登英(〃)原田泰(〃)布野幸利(〃)櫻井眞(〃)政井貴子(〃) 上記のほか、12月19日財務省太田充大臣官房総括審議官(14:00~15:31)内閣府羽深成樹内閣府審議官(14:00~15:31) 12月20日財務省木原稔財務副大臣(9:00~11:19、11:34~11:44)内閣府越智隆雄内閣府副大臣(9:00~11:19、11:34~11:44)が出席。 ・公表日時当面の金融政策運営について――12月20日(火)11:51主な意見――12月29日(木)8:50 予定議事要旨――2月3日(金)8:50 予定以上